リアリティー
最初に注目したのが素材です。
自然な髪の毛を表現するには繊維の表面にうろこ状の傷をつけ、キューティクルと同じ形状の糸に加工しなければなりません。
しかしこの加工には高度な技術が必要で、人毛レベルの加工のできる機械と技を持った職人はほとんど姿を消してしまいました。
協会では日本でただ一人、人毛の代わりになる糸加工のできる匠と出会い、世界でも類を見ない究極の人工毛(プラチナ人工毛)の開発に成功し、髪を失った女性たちの支えになりました。
フィット感
身体の一部分を補綴するための人工物。そんな補正具としてのかつらは、脱毛した頭部にピッタリとフィットする構造にしなければなりません。
しかし従来のかつらベースでは決まったサイズ(S、M、L)しかなく、脱毛や発毛の過程でサイズが狂ってしまうことが多々ありました。
また人間の頭部は人それぞれで、オーダー以外にきちんとフィットするかつらを作ることができません。
この問題点を解消するために、協会では誤差の出やすい部分的に収縮性のある素材を使い、さらにフィット感を高めるためにブラジャーの工房でCADを使ってベースを設計することを試みました。
これにより補正具としての役割が強くなり、合わないかつらで苦しめられることもなくなりました。
再現性
治療で毎日髪が抜けるということは、女性にとっては大変なショックです。
とくにからだにメスを入れた人はなおのこと。
大切なからだと髪を失うのですから、人目が気になり、殻に閉じこもってしまう方も少なくありません。そして治療を受ける多くの女性が「わたし、でいたい」「わたし、を失いたくない」「もとの自分に戻りたい」と失った髪の再現を求めます。
協会ではアピアランスサポート(見た目のサポート)をミッションに、再現美容というコンセプトで日常生活を気にすることのないかつらの製作を行なっています。