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がん治療を髪から応援

さいたまのサロン「k'palette」

 
がん患者を髪の毛からサポートしようと、さいたま市大宮区にサロンを構える毛内(もうない)英克さん(47)は、抗がん剤の副作用で脱毛に悩む人が、今までと同じ生活ができるようにと応援している。
  
治療に入る前に医療用かつらを用意する人は多いが、手触りや艶などの質感が実際の人間の髪とは違い、不自然ですぐにかつらと分かってしまう。それが嫌で外出ができなくなり、気持ちが落ち込み、引きこもってしまう人が多いようだ。 
毛内さんは4年前、NPO日本ヘアエピテーゼ協会の再現美容師の資格を取得。人毛と人工毛をミックスさせた医療用ウィッグ(かつら)を使い、脱毛した髪を治療前と変わらない状態にし、自然な艶を復元している。 
乳がん治療のため、11年前に抗がん剤を使い、その後も再発を防ぐ治療を続けている県内在住の女性(46)は8年間、通常のかつらを使っていたが、装着に違和感を感じていたため、知人の紹介で毛内さんを訪ねた。信頼のおける人には治療のことを話せるが、できるだけ周りに知られたくないという思いがあったという。 
家に帰ると高校生の娘に「艶が自然でふさふさだね」と言われた。「まるで自分の髪のような装着感で外出が楽しくなりました」と喜んでいた。 
毛内さんは「治療前の髪形を作れるので、周りに気づかれず治療に専念できます。不安を持っていらしたお客さまがかつらを着けて笑顔で帰っていく。それがうれしい」と話す。 
東武線北大宮駅のすぐ近くにある毛内さんのサロン「k'palette(ケーパレット)」は3席の店内だが、完全予約制のプライベート空間。髪形の相談、かつらを着けた状態でのサイズ調整、カット、ブローと、約2時間ほどかけて丁寧に仕上げていく。 
支援活動のため、料金は一般のかつらメーカーの約半分程度。購入から1年間のカット、メンテナンスは無料という。 
問い合わせは、同サロンの毛内さん(048・643・6061)へ。

NPO法人 日本ヘアエピテーゼ協会 報道資料